皆さん、Oxford Reading Tree(オックスフォード・リーディング・ツリー)ってご存知ですか?
多分バイリンガル育児をされている方は、もちろん知っている!使っている!という方が多いと思います。
この記事では、ネイティブ家庭での Oxford Reading Tree の使い方も含め、私が Oxford Reading Tree を子供にまだ与えない理由を書きます。
【Oxford Reading Tree】
私が子供にまだ与えない3つの理由
■Oxford Reading Treeってなに?
Oxford Reading Treeは、
❒イギリスの約80%以上の小学校で採用されている「国語」の教科書。
❒かわいいキャラクター達が登場するユーモアあふれる「オチ」がある短いお話が200話以上あり、すべてネイティブの子供たちが使う自然な英語でつづられています。
❒10段階にレベル分けされ、頻繁に使う表現が繰り返し登場するため、英語学習用としても最適。
❒物語はおもに主人公のキッパー少年とその家族や友達の日常生活を描いているので、まるで日本にいながらイギリスの家庭にホームステイしている気分も味わえます。
引用: http://www.oupjapan.co.jp/ja/gradedreaders/ort/index.shtml
私も教材を拝見しましたが、素晴らしい本だと思います。
素晴らしいどころじゃない、
「英語を子供に教えるなら、これ!!!」
「こんな本、欲しかった!」
「これで英語を教えれば、飲み込みも早いんじゃないか?!」
と思うほど、パーフェクトな英語本です。
パーフェクトな理由の1つですが、テーマがまさに「英単語」なのです。
例えば、Stage1で言うと、日常的に使う ”Go Away” ”Look Out” ”Getting Up” など、まさに子供に覚えて欲しいキーワードがたくさん入っているのです。
またステージが上がると、様々なテーマを取り扱ってくれて、日常的なテーマから、お城や恐竜など非日常的なテーマまで扱ってくれます。
中身を拝見しましたが、絵と使っている単語が合致しており、英単語を子供が学ぶのであれば最適です。
❒Stage3
❒Stage5
バイリンガル育児や英語育児をすることに停滞した時、レベル分けにされて、順番に沿って子供に与え続けることができれば、親も少し肩の荷が降りた気分になると思います。
キャラクターも可愛いし、何度も言いますが、パーフェクトな本です。
バイリンガル育児をされている方がこの本を利用して、とても良いとブログでも書かれています。
またオーディオがついているので、その発音を真似して、音読することができるようです。
私も何度もこの本を見ては、
「息子に読んでみようかな。。。」
「今の息子なら全部理解するだろうな。」
などと思っています。
この記事を読んだ方は、2歳で Oxford Reading Tree は早いに決まっている、と思われた方も多いのではないでしょうか?
実際に私自身もそう思います。
一般的に見たら2歳では早いでしょう。
でも英語能力的に見ると、十分に理解できる能力年齢?であり、正直、息子が今読み聞かせている本よりも簡単です。
その視点でいうと、与えてもいいと思っています。
でも私は「何歳から」という指標はあまり好きではなく、子供が興味を持ったものはどんどん読ませる、ということを意識しています。
内容はStage1から利用すれば、レベルが合わないということもありません。
この本を読み聞かせすれば、2歳児ならすぐ文章を暗唱し、英単語の量もどーーーーーんと増えると思います。
結果、英語力もぐーーーーんと伸びると思います。
❒Oxford Reading Treeについて書かれているのでオススメ!
■Oxford Reading Treeをまだ与えない理由
それでも、なぜ私は Oxford Reading Tree を与えないのか?
これからその理由を書いていきます。
イギリスにいた際に、小学校のお子さんのイギリス人家庭と日本人家庭に、色々話を伺ってきたので、ぜひ参考にしてみてください。
①Oxford Reading Tree は、ネイティブにとっては副教材?!
Oxford Reading Tree は、ネイティブにとって「学校で学ぶもの」だからです。
日本人も同じで、学校で取り扱うものを、家で読み聞かせとして使う人って、あまりいないんじゃないかと思います。
イギリス人も実際にOxford Reading Tree を使って、彼らでいう国語を勉強していました。
でも特徴的なのが、親が子供たちに買い与えていなかったことです。(もしかすると、熱心なご家庭は買い与えているかもしれません。)
一方で、駐在で来られた方や英語が弱いお子さんをお持ちの親御さんは、Oxford Reading Tree を一式揃え、オーディオも与えていました。
このように、ネィティブとノンネイティブとでは、この教材の使い方が少し違います。
もちろん駐在で来られた方々は、駐在中に短期間で子供に英語を教えたいと思う方も多く、その努力は素晴らしいものですし、私も同じ立場だったらそうすると思います。
でも、私が子供にしている育児は、英語教育ではなく、バイリンガル育児だということを意識しています。
そのため、Oxford Reading Tree から効率よく英単語をピックアップして、子供に吸収させるのは、私が目指しているものとは異なるかなぁと思いました。
ネイティブの子が ”Go Away” ”Look Out” ”Getting Up” などの単語やフレーズを、Oxford Reading Tree から学んでいるとは思えません。
我が息子でさえ、これらの単語は実際の日常生活から既に学んでいます。
私は、ネイティブの子と同じ感覚で、この教材を使いたいと思っています。
ということは、英語を教える視点でいうと、親としてはハードルを自ら上げているんです。
それはなぜか。。。?
Oxford Reading Tree から学ばせる前に、親との日常会話から、既にこれらの英語を学ばせておく必要があるからです。
これが、バイリンガル育児であると、私は思っています。
②文字が読めるようになってから、音読程度に与えたいから
もちろんこれはReading教材ですから、文字が読めるようになってから与えるものだと思います。
私はこの教材を「英語を学ぶスタート地点」として使うのではなく、英語発音のために使いたいと思っています。
その理由をあげる前に、そもそもイギリスではこの教材をどう利用するか、イギリス人の現地校で先生をされている方にうかがってきた話を書きます。
イギリスの小学校は導入期間も含め、4歳、5歳から始まります。
この教材を利用する時は、みんながみんな同じレベルを一斉に読むわけじゃないようです。
Oxford Reading Tree は副教材であり、普段は先生が生徒のレベルに合わせて本を3冊から5冊選んでくれるそうです。
それを、家に持ち帰って自分で読むのが宿題、音読が推奨されているそうです。
イギリスではフォニックス(phonics)をとても大事にする教育なので、フォニックス教育の一環として、音読を推奨しているのでしょう。
❒フォニックス教材
イギリスに永住されている日本人両親の例ですが、Oxford Reading Tree を一緒に勉強することを、お子さんから拒否されたという話を聞きました。
その理由は、音読の宿題としてこの教材が出されており、ネィティブじゃないご両親と一緒に勉強するのが、嫌だったそうです。
ただ拒否をされた後も、他の英語の本はお母さんと一緒に読むそうです。
このお友達の話を聞いて、バイリンガル育児のヒントとなりました。
「バイリンガルに近い子は、Oxford Reading Tree は音読の教材、他の本は、英語であっても日本語であっても知識を得るもの」であることを教えられました。
私も自分の子供には、ネイティブの子供と同じように、Oxford Reading Tree をフォニックス勉強の一貫、音読の練習に使って欲しいと考えています。
ちなみに、イギリスで先生をしている人にOxford Reading Tree について伺ったら、Oxford Reading Treeを読解力を養うために使うのではなく、絶対にフォニックスに時間を費やした方が良いわとアドバイスを頂きました。
熱心な保育園は3歳クラスからフォニックスを取り入れます。
また、小学校に上がる4歳5歳の一年間はフォニックスにたっぷり時間を費やします。
だから、焦って使わない、じっくりやってみようと思うのが、私の考えです。
もしかすると、ネイティブでも読み間違いをする子って結構多いのかもしれませんね。
❒フォニックスが含まれているセットです。
③子供の英文化への理解、世界がそこだけに留まってしまうから
最後の理由は、これが大きな理由なのですが、Oxford Reading Tree を与えてしまうと、主人公キッパーとの世界、それだけになってしまう可能性があるからです。
もちろん、この教材は英文化を学ぶ良い教材でもあります。
でも、世の中にはたくさんの本に溢れていて、たくさんの考えを持った作家がいる、彼らの世界だけで留まって欲しくないんです。
Oxford Reading Tree を読む頃には、あの本でも同じシーンあったよな、この本とは違うストーリーだなって、引き出しを増やしといて欲しいと思っています。
読む頃には、Oxford Reading Tree で使われている英単語を「自分自身も日常的に使っている。」という復習程度の気持ちで取り組んで欲しいです。
もちろん Oxford Reading Tree から世界が広がる、という可能性も十分あることは承知しています。
■おわりに
なんだか偉そうな文章になっていますが、正直 Oxford Reading Tree を与えてしまうと、順序立てて学べるため、効率も良いし、それだけに時間を費やしてしまうような気がするんです。
子供の英語力に合わせて、順番にレベルを上げていくことはとても良いことです。
でも、日常生活で言語を学ぶ中で、順序立てて学ぶことって絶対にないです。
小さい頃は特にですが、英語も日本語も、自然に学ぶ感覚を子供に大切にして欲しいと思っています。
話が長くなりましたが、Oxford Reading Tree は英語を学ぶ際に、とても良い教材です。
以下の点は、私が伝えたい事をまとめたものです。
-私自身は英語教育をしているのではなく、バイリンガル育児をしているということ。
-ネィティブ家庭の使い方と同じように利用したい。
-イギリスの学校が宿題の音読として与えているため、子供には自分で音読する教材として利用して欲しい。
-英単語の観点からいうと、日常使っている言葉の復習程度のレベルで利用したい。
-Oxford Reading Tree が英文化すべての世界ではない。他の本やアニメも活用して、様々な事を学んで欲しい。
私自身も手探りでバイリンガル育児をしています。
決して、自分の意見が一番正しいなどは思っていません。
しかし、育児をするにあたって論理立ててブレないことを大事にしているつもりです。
もしよろしければ、Oxford Reading Tree を利用してこんなことが良かったよ、といったご意見や感想、アドバイスなどがあれば、ぜひ教えて下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ポチッと応援してくださると嬉しいです!
❒オススメの本のレビューです。Oxford Reading Treeを使う前に、ネイティブたちが小さい頃に読んでいる本をご紹介
この本は歌になっているので、オススメ。すぐ覚えてくれます。

【英語絵本】We’re Going on a Bear Hunt
この本のセリフも子供は真似しやすい!

【英語絵本】GUESS HOW MUCH I LOVE YOU
❒興味がある方はこちらからどうぞ!
コメント
2歳の子を育ててます。ORTとCTPはどちらがいいかを検討していて、こちらの記事は現地(ネイティヴ)からの視点がありとても参考になりました。
CTPについても同じような状況かご存知でしょうか?よろしければ教えていただければ幸いです。
ORTは近くの図書館で読めるので、どういうものか大体見当がついたのですが、CTPは実物を見る機会がなく、レベルも分野も色々あるので購入をためらっています。
辰子さん、メッセージ頂きありがとうございます!そしてお返事遅れすみません。。。
CTPとORTの比較はしたことがなく、またCTPについては実は私もまだ使用したことがありません。
ただ以前 ORTは reading for fun、CTPは reading for learning というのを聞いたことがあります。
つまりORTの方は物語チックなのが多く、CTPは勉強の題材になるような内容と伺いました。
おっしゃるとおりレベルを全部揃えようと思うと安い買い物ではないので、少しためらいますよね。。。
私ももう少しCTPについて調べてみて、(気が向いたら)買って勉強してみようと思います!
すみません、ちゃんとしたお答えになっていないと思いますが、また何かご質問等ありましたらお願いします。
これからも遊びに来てください!^^
お返事ありがとうございます。
CTPはアメリカのもののようなので、ちょっと分野違いかなと思いつつも図々しく質問させていただいてしまいました。
ネイティヴにとってのCTPが、日本の「かがくのとも」のような感じなら、教養も身につくしぜひ使いたいと思ってるのですが、なんともわからないですね。
ORTは図書館で何冊か読んで、あんまり魅力を感じなかったので、適当に好みの洋書絵本を読み聞かせしてます。絵本独特の擬音語や単語が出てきて、なんて読むのかわからなかったりして苦労しますが・・・。
こちらのブログは我が家の英語育児の指針になってます。また楽しみに読ませていただきます。
ありがとうございました。
辰子さん、
分野違いでも大丈夫です!同じ英語の教材ですし、色々な方のご意見やコメントを頂くことで気付けることが多いので^^
ちょっと使ってないのでまだわかりませんが、おっしゃるとおり日本の「かがくのとも」に近いものなのかもしれませんね。
ORTが全てではないですし、むしろ好きな洋書絵本でもいいと思います。
好きこそもののなんとやらで、子供も好きであればずっと読んでたり遊んでたりしますよね!
少しでも辰子さんのお力になれれば幸いです^^
英語教育関連ではなく、子育て関連のコラムから訪問し、この記事も拝見させていただきました。私はイギリス生れイギリス育ちのハーフイギリス人です。バイリンガル教育に関する熱心さにとても感心させられました。
バイリンガル教育と英語教育(もしくは在英ハーフの日本語教育)は全く違うものですが、混同してしまている親は多くいます。この辺りをきっちり整理されていますね。
しかし気になったのは「ネイティブ」という言葉。ネイティブにこだわり過ぎではありませんか?どんなに頑張ってもネイティブにはなれないです。(努力とかではなく、生まれ育ったバックグラウンドも含めてなので)ネイティブにこだわり過ぎてお子さんに自由に学べる余白を抑え込んでしまっているように見えました。
ORTの使い方は自由です。例えイギリス人の一人の「ネイティブの人が」どう言おうと、子供が好きならば読み聞かせでいろんなことを吸収します。年齢も関係ないです。興味を持ったときが10歳でいいし2歳でもいいと思います。
お子さんが日本で生活している以上、ネイティブになることはないですが、世界で通用する綺麗な上手な英語を話せるようになることは十分可能です。
一番大事なことは、親がどうこういう時期に習得できることはほんの少しだけ、中学生くらいになり大人の言葉と大人の思考ができあがったときに、いかに「本人が」努力してその言語を自分のものにするかです。これは日本語でも同じですよね。
一番大事な部分を置き去りにされて、頭でっかちなバイリンガル教育ママさんになりませんように、お子様のためにも気を付けてあげてください。
りりさん、
コメントいただきありがとうございます!
ネイティブという言葉は結構使ってしまっていますが、おっしゃるとおりネイティブには絶対なれないのは(残念ながら。。。)重々承知しております。
その上で、「どうやったらネイティブの方々のような話し方や考え方を習得できるかな?」という視点で頑張っています。
またORTについてはおっしゃるように興味を持ったときに読む、というのも良いかもしれませんね!
今はまだ小さいから良いですが、これが小学生、中学生、高校生となったとき、
英語に対してどう考えているか?は彼ら自身にかかっていることですね。。。
いずれにせよ全く使わないで過ごす、ということがないと良いのですが。。。
英語ができると世界が広がるのは私の経験から来ていますが、子どもたちもそういったことを経験してほしいなぁと思っています。
>一番大事な部分を置き去りにされて、頭でっかちなバイリンガル教育ママさんになりませんように、お子様のためにも気を付けてあげてください。
我が家は「ものごと実践あるのみ、すべてのことは経験」をモットーにしている部分もあるので、
頭でっかちにならないよう気をつけながら進めたいと思います。。。!
これからもコメント頂戴したく、よろしくお願いいたします^^