2015年11月初旬、NHKで「”資生堂ショック” 改革のねらいとは」が特集されました。
私はテレビを見ていたわけではありませんが、ネットで賛否両論の声があると知りました。
私も来年の4月から社会復帰をし、専業主婦を卒業する予定です。
その立場から考えると、「嫌なニュースだなぁ。」と思いました。
子供がいるので、「短時間勤務はとりたい」「土日は子供のために時間を使いたい」と思っています。
そこに「短時間勤務者は土日働いてくれ」と言われたら、正直会社を辞めてしまうかもしれないです。
ここ数日このニュースを聞いてから、色々な立場からこの「資生堂ショック」について考えきました。
そこで、「自分が住んでいたイギリスでは、遅番や短時間勤務者の土日労働はありか?」という視点から意見を書かせて頂きます。
資生堂ショックから学ぶ
イギリスで働くお母さんの環境
結論から言うと、もしこのニュースがイギリスで流れたのであれば「あり」でしょう。
私が「あり」と判断した理由は、簡単に言えば資生堂美容部員のような働き方をしている人がたくさんいるからです。
■少子高齢化 企業のあり方
日本は「少子高齢化問題」を抱えており、「女性には子供をたくさん産んで欲しい。できる限り育児・仕事の両面で企業がサポートします」というのが優良企業のあり方になってきています。
簡単に言えば、お母さん達に厳しい条件は出せない、という風潮がある気がします。
■移民を受け入れたイギリス
一方、イギリスを含むヨーロッパは、「家族の時間を大切にし、一緒に夕食をとったりする。」というイメージがありませんか?
確かに間違ってはいませんが、イギリスってヨーロッパの中では、とてもよく働く国で知られています。
平日なのにお店がお昼休みでやってなかったり、日曜日にお店が完全に閉まっている、なんてことはありません。
また最近では多くの移民がイギリスで働いています。
EU諸国の人達はビザがなくても、イギリス人と同じように働ける権利を持っています。
そのため、移民がどんどんイギリスへと流れてきているんですね。
結果、低賃金で労働してくれる人、時間に関係なく働いてくれる人は多くいます。
子供がいるからといって、特別扱いされる社会ではありません。
日本もそうかもしれませんが、イギリスは労働者にとっても激しい競争社会なんですね。
ただ、遅番や短時間勤務者の土日労働は受け入れられたとしても、お母さん達が働きにいける環境が整っていたり、周りの理解があることは、大きく日本と異なる点かもしれません。
では、イギリスでは働くお母さんを、どう周りはサポートしているのか?
知り合いのお母さんたちの環境をご紹介していきますね。
■イギリスで働くお母さんの環境
①短時間勤務ではなく、曜日を選んで勤務
出産後、社会復帰するお母さんは、週3回から4回の勤務をする人が多いです。
そのため、週に何日かは、子供を保育園に通わせず、親子の時間を1日確保し過ごせます。
しかし、仕事に行く時間が早朝からだったり、夜遅くまでの人もいます。
日本もそういう働き方もありますが、週5回勤務かつ時短勤務の人が大半だと感じます。
資生堂の改革に照らし合わせると、イギリスで働く人達の勤務方法に近いですよね。
②保育園の時間がフレキシブル、保育園で朝食や夕食あり
日本の保育園は朝からが一般的ですが、イギリスは結構午後から預けることも普通でした。
また、朝食や夕食が付き、帰ったら子供は寝るだけでいい、という子もいます。
その他にも、小学校に通う子供向けに「Breakfast Club」というのもあります。
イギリスでは、保育園の最終時間が18時の場合が多いです。
食事が保育園で出る場合は、17時頃に食事をさせています。
子供は早く寝るのが一般的で、夕食が5時の家庭もあるからかもしれません。
日本だと、18時に子供を迎えに行って、その後夕食の家庭も多いと思います。
または、夕食を作るために、短時間勤務を取っている方も多いかもしれません。
最初聞いた時は「え?平日は家族で全く一緒に食事しないの?」と驚きました。
ただ、子供が親と一緒に食べていないことが普通とまでは言いませんが、そのような状況でも受け入れられる社会のようです。
イギリス人の友達も「平日は一緒に食べない、寝かしつけるだけよ。」と言っていました。
同時に「ご飯は作らなくていいから、楽よね。」とイギリス人らしいことも言っていました笑
それが子供たちの間でも当たり前なのであれば、驚くことではないのかもしれません。
③働き方がフレキシブルな会社が多く、在宅ワークもできる
イギリスは裁量労働制(タイムカードなし、など)をとっている会社が多いです。
よく地下鉄のストライキがあったり、子供の学校のお休みが多くあったり、働くお母さんにかぎらず、お父さんですらも会社に通えないことがあります。
ストライキの時は、無理に通おうとせず、家からパソコンで仕事をする方も多いですね。
職種によりますが、近所の方でも平日よく会い、どうしたの?と聞くと、今日は家から仕事なんだという方がちらほらいました。
お母さんが働く環境という意味では、以上の3点以外にもあります。
例えば、子供の学校は日本よりお休みが多いです。
夏休み、冬休みの他に、学期中に一週間お休みになるハーフタームという休日があります。
ハーフタームは親にとって厄介で、一週間子供と過ごす必要があるので、夫婦交代で家から仕事をしたり、休みをとったりして対応しています。
また驚いたのは、自分の職場に子供を連れてくる人もいます。
日本の駐在員の中でも、職場に子供を連れて来てびっくりしたという話で話題になりました。
平日の公園や児童館でお父さんを必ず見るので、仕事がフレキシブルな方が多いのでしょう。
(児童館で携帯から仕事している人を見たこともあります。)
都合がつかない親は、祖父母やナニ-に預けたり、スポーツクラブに通わせたりしています。
その他にも、小学生は子供の送り迎えは必須なので、働くお母さんは大変です。
しかし、それらの状況をしっかり把握し、理解しているのがイギリスの職場でしょう。
もちろん決して楽ではないですが、「家族や会社に理解があること」や「在宅ワークが可能」なところは、日本より環境が整っていると言えるのではないでしょうか。
■結論
以上いくつかの切り口から、働くお母さんの環境をご紹介しました。
もしイギリスで資生堂ショックが起きても、受け入れられる環境だと思いませんか?
よく「イギリスは子育てと仕事の両立をしやすい」とおっしゃる方がいます。
確かに、電話会議で済ませたり、家から仕事ができる環境といったフレキシブルな働き方は、明らかに日本よりも整っています。
でも、私が出会った働いているお母さんたちは、
朝番・夜番があるから、夫が仕事を調節して子供の送り迎えをしている。
仕事がある日は子供とは一緒にご飯を食べられない。
平日休みが取れるから子供と児童館に来ているけれど、顔がげっそり。
働く時間は減ったけれど、仕事量とノルマは一緒。
。。。などとても大変そうでした。
決して子育てをしているからといって仕事が楽になったわけではなく、「子育てと仕事の両立ができるように一生懸命頑張っている」のは、日本もイギリスも同じだなと感じました。
ただ違った点は、社会や家庭といった周囲の支援から、お母さんに働きやすい環境を作ってきたことではないでしょうか。
その結果が、上の①から③なんだと思います。
資生堂ショックは、働く女性にとってはまさに「ショック」そのものだと思います。
でも、これから資生堂の美容部員の方たちが頑張っていく中で、それを支える環境が日本にも作りあげられるのではないでしょうか。
いかがでしたか?
様々なご意見があると思いますが、この投稿はあくまでも一個人の意見を記載しております。
また、今後みなさんと一緒に子供にとって良い英語教育は何か考えていけるよう、ご意見や感想を募集しておりますので、一番下のコメント欄に残して頂けると嬉しいです。
ポチッと応援してくださると嬉しいです!
コメント